ロボットはAIの次なる主戦場か 世界最高峰のロボット国際会議「ICRA」【橋本幸治の理系通信】 - https://www.youtube.com/watch?v=pkByVeZyF8U 世界最高峰のロボット会議が日本で開催されました。ロボット工学と自動化の分野で世界最高峰の国際会議であるICRAが横浜で開催されました。参加者は延べ7000人で、そのほとんどの6000人は海外からの参加者ということで、ザ国際会議というような雰囲気でした。この外国人の多さを見てですね、こうした大規模な国際化業を日本に誘致できたというのは素晴らしいことだなぁと思うと同時に一方でロボット分野も日本の老い家芸などと言われてきた中で会場には日本人ちょっと少ないなとかなり存在感薄いなというような印象でしたということでですね今回の動画ではハイテクの象徴であるロボットの最先端技術についてお伝えすると同時にですね日本のロボット研究の課題そして希望などについてもお伝えしていこうと思いますロボットといえばですねこの後ろに映っているようなこの人型ロボットまあヒューマノイドと呼ばれるものや犬っぽい形の4足歩行ロボットなどについてのニュースをよく目にすると思いますただですね今回の動画ではあえてこれらのロボットについてはあまり触れませんこれら散々ネットニュースとテレビで取り上げられていますからねということでこの動画ではですねヒューマノイドなどの見栄えが良くてパッと見で凄さが伝わるようなロボットよりかはですねパッと見ではよくわかんないけれども実は凄いというようなロボットを中心に紹介していきたいと思います加えてですね今回の国際会議で採択された論文注目論文というものを紹介していきたいと思いますまず紹介するのはこちら世界初公開となるソニーの超精密手術ロボットですVRゴーグルのようなゴーグルをつけながらですね手元の器具を動かすと離れたところにある実際に患者に処置を行うロボットも連動して動くというものなんですがその連動の仕方がポイントになってきまして動きが最大10倍縮小されるんですねつまり例えばですね手元で右に10ミリ動かしましたとなったらですね離れたところにあるロボットのアームは右に1ミリだけ動くといった変換がなされるんですねこのためですね細い血管同士をつなぎ合わせるといったような精密な手術が可能になるということで会場ではですねトウモロコシの粒の皮を切り開いた後に極細の糸で縫い合わせるそういったデモンストレーションが紹介されていました上を持ってはい持ちましたそしてはいはいはい根元の方を切るめちゃめちゃ簡単!目の前にはですね非常に鮮明な映像が映っていましてロボットもタイムラグなく滑らかに動きますので違和感なく何の違和感もなく作業できましたねちなみにですね実際にゴーグルをつけて糸を切った時はですねかなり糸が飛び出ているように思えましてもっと根元で切るべきだったなとちょっと失敗したなーなんて思ってたんですけれどもゴーグルを外して実際にトウモロコシの粒を見た時にですねあれ一体縫い目どこにあるんだろうとましてや飛び出した糸なんて一体どこにあるのか確認できないレベルでですね非常に高度なことをやっていたんですけれども実際作業している時はただ目の前にある糸を切りましたそれだけの感覚でやれてしまったと非常に驚きました人がとても扱いやすいようにすぐあまり熟練をしていらっしゃらない先生でもすぐに使えるようになるというユーザーフレンドリーなそういうロボットこの使いやすさという点で言いますと目の前に映る映像がですね非常に鮮明でそしてピントがくっきり合っていてオートフォーカスされていましてそして立体的に見えるという映像美によるところが非常に大きいなと個人的に感じたんですけれどもちなみにこのロボットに使われている4K3Dカメラというのはソニーオリンパスメディカルソリューションズのものでしてゴーグルに使われている4Kの有機ELディスプレイはソニーセミコンダクタソリューションズのものということでソニーの強みが生かされたロボットだなという印象でしたただこちらのロボットはまだ試作段階でして医療器具ですので今後様々な規制などをクリアしていく必要があるということでしたということでまずは大手のソニーのロボットを紹介しましたけれども会場にはですねその他にも川崎重工とかTHKなどですね有名企業のロボットもたくさん展示されていましたが例によってですね大手企業のロボットはあえてこれ以上は取り上げません大学などの研究室による展示研究成果論文を中心に見ていきたいなと思いますということで続いてはニューヨーク大学による研究成果です。ご覧のようにロボットアームがトースターの扉を開けてくれるという展示でしてパッと見では何がすごいのかさっぱりなんですけれどもその他にもですねトイレットペーパーの交換やブラインドの開け閉めなど家の中での様々なタスクをこなしてくれるロボットだということですこのロボット自体は市販のものなんですけれども研究チームが開発したのはロボットに様々な作業を教え込むAIシステムDobyです詳細はこちらの論文オンブリンギングロボットホームつまりロボットの家への導入といったタイトルの論文に書かれていまして研究チームによりますと家の中での109のタスクをこなせるということなんですね家の中で様々な作業をこなすカジロボットというのは人類の夢の一つかと思うんですけれども未だに実現していませんその理由の一つというのはですね家の中という環境ですね非常に変数が膨大なんですね例えば椅子を引くという作業を一つとっても椅子はどんな大きさなのかどんな重さなのかそして床の材質はどうなのかそして家の散らかりっぷりその周辺の散らかりっぷりはどうなのかなど家によっては環境は千差万別なのでこれはロボットにとっては非常に難しいんですねそんな難題に対して研究チームはどうアプローチしたのかこれは3DプリンターとiPhoneで使うだけですそれだけで5分のデータが必要です具体的にはですね例えば新しく買ってきたトースターの扉を開け閉めするこれをロボットに覚えさせたいなぁとなった時はですねiphoneのカメラを起動させながらマジックハンドで扉を開ける閉める開ける閉めるこれをですね5分繰り返すだけでロボットに作業を覚えさせることができるということなんですねなんでそんな簡単に学習できちゃうんだというのが興味深いんですけれどもこのAIシステムはですね事前にいろんな過程で様々な作業を行ったデータが蓄積されていましてそれによってですねいろんな作業をそこそこのレベルでこなせるそういった能力が事前に備わっているんですねつまりあのちょっとひねられた問題出されると解けないこともあるけれども基礎力はバッチリですよみたいな状態ですねそんな中で追加で5分間の学習をさせることで事前に作り上げられたAIモデルこれをですね微修正しまして新たなタスクを完璧にこなすことができるということなんですね研究チームによりますと逆にどんな作業ができないのかというと今回のロボットは1本の上に2本の指がありますよというような形状ですので例えば2本の腕で重い荷物をですね持って運ぶみたいなことはできないんですしあと卵を割るというのも基本的に2つの指でできることではないのでできないということでまだまだ限界はあるということでしたということですね家事を何でもこなす夢のようなロボットにはほど遠いかもしれませんけれども夢に大きく近づく重要な技術であると言えるかもしれません当たり前のようにAI人工知能の話が登場したわけなんですけれどもご承知のようにですね今やロボットを語る上でAIは欠かせない存在になっていますそこで気になるのが日本はどうなのか日本のAIロボット研究は順調なのかどうかというところなんですがそこで思い出すのが1年前にネイチャーに掲載されたこちらの記事ですAIが世界で注目される中日本のロボット工学が遅れをとっているというタイトルの記事ですねかつてはホンダのアシモとかソニーのアイボなどですね日本はロボット大国だっていう地位を確立していたわけなんですけれども今や世界のリーダーとは言えないんだとその原因はAIなんだと指摘している記事です記事ではですね世界がAI技術をロボット工学に融合させ始めていたが日本の科学者の多くは純粋なロボット工学の研究を続けていたと書かれていますこうした指摘に対して日本のロボット界はどう受け止めているのか。今回のEクラの実行委員長を務める千葉工業大学のワン教授にズバリ聞いてみました。そこはある意味で正しいトレンドの分析にもなっておりまして実際は我々ロボティクス分野に関してはハードウェアを作るという所以上に西洋またこれからAIというか知能化するというのはかなり重要になります我々はポテンシャルはありますただしもっと研究に対して投資してベンチャーの企業はどんどん成長していくという事と共に研究の実力ももっと上げていくっていうのは我々としての課題ですねまだまだ日本のロボットのポテンシャルは十分あるんだけれどもAIへの投資が十分ではないために日本のロボット工学が世界に遅れをとっているこれは事実だと率直に認めていましたそんな中ですね日本のロボット界隈に衝撃を与えた集団がありますそれは東京大学の松尾研究室です松尾研究室はですね日本のAI研究の第一人者と言われる松尾豊教授がトップの研究室で松尾教授はメディアに引っ張りだこの存在なのでご存知の方多いかと思いますそんな松尾研究室の中で立ち上がったロボットチームがですね結成からわずか1年でロボカップというロボット競技会の国内大会で圧倒的な力を見せつけて優勝してしまったんですねしかも世界大会でも3位に入賞したとまず指示を出したらシステムの中では4つ基盤モデルを使っていてその1つが大型オーギングモデルになるんですけどやはりAIがポイントになってくるんですけれども従来からあるAI技術ではなくですねチャットGPTで一躍有名になった大規模言語モデルなどのですね最新AIをふんだんに使っているんですね他のチームがですねすでにある既存の技術をこう伸ばしていくみたいな方向でやっていた中でこの東大のロボットチームはですね結成されたばかりということもあって最新のAIを躊躇なく取り入れて優勝してしまったということなんですねCouldybringthecofecuponthecounter?言葉でロボットに指示を出すというのはそこまで驚くようなことではないかと思いますがここからですね指示を受けた後ですねロボットはどこに行って何をするという実行プランを作り出した上で動き出すんですけれどもその実行プランを作るのに大規模言語モデルを使っているんですねつまりチャットGPTっていうのは大規模言語モデルを使ってテキストを生成するんですけど今回はそれを使って行動を生成しているというところがポイントですねでご覧のように実行プランをちゃんと生成できまして正しくカウンターまでやってきましたこの後ですねコーヒー缶を見つけ出すという物体認識が必要になってくるんですけどもここでもですね他の基盤モデルと呼ばれる最新のAIを活用して見事コーヒー缶をつかむことができましたちなみにこのデモンストレーションの前にもですねカメラが回ってない状態で一回お試しでやってみたんですけれどもその時はリビングにあるリンゴを取ってきてもらおうとしましたその際にですねちょっと雑にリンゴを取ってきてだけ伝えたんですねロボットにするとですねロボットはリビングを通り抜けてキッチンの方まで行きましてでキョロキョロキョロと周りを見渡した後私のところに戻ってきましてすいません見つかりませんでしたと言ってきたんですねなのでですねごめんごめんリビングのテーブルにあるリンゴを取ってきたと正確に伝えたところちゃんとリンゴを取ってこられましたと最初になぜロボットはキッチンに向かったのかというところについてなんですけれども研究チームによりますとリンゴからロボットがキッチンを連想しましてキッチンに向かったと思うということでしたこれ非常に人間みたいですよね大規模言語モデルで作られているChatGPTはですねまるで人間のように会話できるAIということで世界が驚いたわけなんですけれどもその大規模言語モデルでロボットを作るとやはり人間っぽくなるんだなというふうに感じましたねちなみに東大のロボットチームは今年のロボカップの国内大会でも優勝していて最新AIの力を見せつけていまして今後日本のロボット工学会全体がですね目を覚まして変わっていけるか注目ですねお次は笑っちゃうような面白い研究を紹介しますちょっと変わった形をしたドローンが飛び立とうとしていますが上空にはドローンの天敵電線がありますね引っかかっちゃうと墜落してしまうので回避したいところですがなんと回避するどころか電線に近づいていっていますねそして電線をキャッチしちゃいました